第17回 初島ダブルハンドヨットレース
June 25 (Sat), 2005
初島回航(48マイル)
スタート 07:00
参加艇数:59艇   本部艇:ティブロン



 このレースに出たのは昨年が初めてだったのに、気分的には恒例レース。いつのまにか楽しみなレースになっていました。なんと言っても今年は同型艇フェロちゃんや、永遠のライバル海援隊、なかなか勝てないブライトン、そしていつもの仲良しチーム葉山のメンバーがわんさか集まって 総勢15艇。 ノリノリのまま、いよいよレース前日となる。

 実は金曜日、会社を休んで早目に準備に行く段取りを整えていたのに、事もあろうに木曜の午後から喉が腫れ上がり発熱!はじめはミョ〜にだるくて火照るので、きっと夏バテだ!と勘違いし、昼にウナギなど食し、余計に具合が悪くなる(阿呆)。そう言えば、熱なんて出すの10年ぶりくらいなので、どういうものかすっかり忘れてた。というわけで金曜は1日中ひっくり返ってました。トホホ。でもレースは出る気マンマンだったので、風邪薬とビタミン剤と栄養ドリンクを乱用し、夕方までに気合を入れなおし?無理矢理シャワーを浴びて買出しに行き、会社帰りのビール先生を車で拾って葉山へ。下架はマリーナに予約済み。

 ふー、すでにかなり飛ばしすぎ。イイ歳して何やってるんだろ。でも不思議なことに、葉山に着いたらケロッとしてしまい、どちらかと言うと、 あれ?もしかして絶好調? 一体全体アタシの体どうなってるんだ?

 とりあえずあらかたの艤装を済ませる。その後、夜のマリーナにウジャウジャしていた翌日の参加メンバーとともにチャイハナへ。もう今からレース始まってる感じ(笑)。たらふく食べてモギモギハウスにて23時就寝。風邪ひいてるって事はこの週末の間、完全にどっかにすっ飛んでいた。

 当日の予報は晴れ。始め風は無さそうだけど、昼前には南が入ってきそう。そのあとはいい風吹くらしい。今年は昨年とは一転のんびりスタートかな。吹かなすぎるのも困るけど、チコッと気が楽。昨年は朝からブルーになるくらいブン吹きだったし、艤装から出港準備まで何もかもドタバタ、しかも二人でやるのはぶっつけ本番だったので、結構ビビッていた。今年は殆どの準備を前日に済ませておいたのでヨユーだ。クーラーボックス積んで着替えてあとは出るだけ!心にゆとりがある人生ってスバラシイ。
6:00すぎ、葉山からの最小艇Tomboyに続いてドックアウト。

 遠くのレース海面には既にフネがいっぱい集まっていた。スワン56デカッ!しかもマストヘッドリグ!セイルチェンジなんてしたら、たちまち心臓発作で昇天しそう。

 本部船ティブロンに近寄りチェックインを済ませると、テーザーつながり&プーケットつながりである赤さんが乗っていた。(4コマ漫画エレキングに出てくる赤さんではない)。ヒョロヒョロの南西の風。初島へのベアリング238度。ラインから離れないようにし、カミ(アウター側)に狙いを定める。コースサイドで身動き取れなくなったトオルさんがスタート号砲直前までスタボーかけながら必死に戻ってくる。フータはオンザラインでビミョーな感じ。ホビーホークは数秒遅れたけどアウター2番手くらいからポートスタート。X旗。

 朝から太陽が出てモワーっと暑いから、すぐにちゃんとしたサーマルが来そうだけど、暫くするとあたり一面 限りなく無風に近い感じに…。 ブームが頭の上を行ったり来たり、ヘディングも定まらない。ここはグッとガマン。必ず沖から来ると信じてフリートの左側をキープすることに。フェロちゃん岸に発見。止まっているように見える。ウシシ。ま、こっちも止まってるケド…。ちっこい黒セイル(ブライトン)は沖後方。

 2時間後くらいだったかな、風はすこーしずつ左に振れてやがて南をつかむ。あとからスタートした大型艇が迷わず沖出しし、そのままリーディングフリートとなる。この時点で、勝手に岸のフェロちゃん死んだと思う。あとで聞くと 相手もそう思っていたらしい。ワハハ。丁度いい風になったと思ったら、その後はだんだんあがってくる。これ以上吹き上がらないといいけど…。でもこの風が続く限り、さっきまで心配していたタイムリミットの呪縛からは解き放たれそう。ホッ。

 一応チームであるからして、今後のプランについて話し合う。真鶴―初島間の魔のエリアを避けるため、島にはできるだけ南からアプローチしたい。よって基本的には沖キープ、でもシフトをみながら場合によっては刻んでいく、というのがビール先生の考え。私も同意見なんだけど、鼻毛を束にして出しながら真顔で語られても困る。

 岸から来たO&Sとミート。そしたら何と!みどりのセイルナンバー・フェロちゃんもこっちへ寄せて来ている。ここでめでたくコンニチハ。一時は見えないくらい遠くを走っていたのに、お互い寄せて来たら笑っちゃうくらいのジャストミート。シモ受けタックを打たれる。カミに出ると思ったのにそう来たか。クー。

 ツーボートテストみたいなセーリングが続く。ちょっとした振れや風のつかみ具合で微妙に位置関係が変わるので、神経質に一喜一憂してるうちにビールメロメロになる。変なドラフトになってるボロメインを見上げて、やっぱニューセイルには勝てないぽ…などと弱気になるので、ニューセイルは大きなアドバンテージだけど、レースにはもっと他にもいろんなファクターがいっぱいあって、そっちも同じくらい大きいんだから、しかもまだ先はうーーーーーーんと長いし、うんぬんかんぬん、などともっともらしい事を言ってなだめすかす。うちの方がマストがおっ立っているからか、風が弱まるとすっと前へ出て、ブローが入るとフェロちゃんがスーっと伸びる。でもミートしてから、初島にとっつくまでのの3時間、ジブのリーチ越しにフェロちゃんが見え隠れする状態でずっと並んで走る。あぁ、本当に2艇はおんなじフネなんだなぁ、と実感。その後、風がどんどん強くなり、こうなるとじわりじわりとシモ先行される。ぐぐぐぐぐ。(←フェロちゃんパワーに押しつぶされる音)

 多くの大型艇がそうしたように、潮も考えて、多少オーバーセイルでも南側から回り込みたいし、こうなったらカツカツにのぼっておいて、島にとっつく直前におとして一気に抜き去る、うん、これしかな〜い。幸いまだジェノアで行ける風だし。こうしてイメージどおりに初島直前で戦闘モードに入り、セイルを緩めておとし始めたところで、事もあろうにヘダーが入る。あえなくのぼりいっぱいになり貯金はゼロ、作戦はパァ。シモを走っていたフェロちゃんの真後ろを追う羽目になってしまった。ガビーン。

 いつものように、初島でもう1ドラマあるかと思ってたけど、今年はなーんにもナシ!手前の凪もなく、先行艇はホイホイまわって行く。島を回り込むタック、フェロちゃんのラインで打ったつもりだったけど、結局のぼりきれずに島裏の微風の中、痺れるショートタック2本。あとで2艇のトラックデータを合成してみたら、タックしたのはフェローズのラインよりだいぶ手前だったことが分かった。キワムさんも書いていたけど、焦って小回りするのはいい事一つもない。 来年こそは「大外がり」を決めよう(キッパリ)。…と昨年も思ったっけ。タハハ。

 13:39初島灯台マグ0に確認。やっとこさ、おとし始めた頃にはフェロちゃんはすでにスピンでかっ飛んでいた。さてどうしたものか。先行艇はプロパーに向けると横風だったようで、スピン揚げないフネも多かったようだけど、今の風の角度ならスピンはあがる。スピンをセットし、揚げる気マンマンで号令を待つワンコみたいシッポを振ってコマンダー(鼻毛男)の指令を待つ。っていうか、島を離れて風あがってきてから揚げるのは大変だから、できれば今すぐにあげたい〜。でも返ってきたのは「待て」の指令。ショボーン、シッポ垂れ下がる。

 さっき走ってきた傾向だと、少し行くと南寄りのシフトで風が横に戻るかも。みすみすフェロちゃんの後を追いかけたら抜くチャンスは絶対ないので、少しに沖目にアローワンスをとってスピンをあげずに70〜75度位ののぼし気味に走ることに。

 風がガツンと入るようになると、アパレントは真横。ジャバジャバとサーフィングしてかっ飛び始める。たしかにこれはキツイ。スピンを揚げたフネは、プロパーより落されているように見えるので、暫くは納得してプレーニングを楽しむ。これならスピンを揚げなくてもそんなにロスじゃなさそう。ブローチングの心配なしに波乗せだけに集中できるし。

 後ろから来たカイジン、エンツォ、リップルなどがスピンで下っていく。周りのフネもみんな ド派手にブローチング を繰り返してる。こうなると、今すぐにでもK-1にチャレンジできそうな、体でっかちの2人組にヘッポコちびクルーと鼻毛男じゃ敵いっこない…と、だんだん弱気になってくる。それに追い討ちをかけるように、徐々に風が西に振れて後ろに回ってきた。プロパーに向けるとかなりランニング。観音にしようにもジェノアだと暴れてうまく行かない。だからと言って、今風も波も一番強烈なところ。スピン揚げたいけど……でもやっぱ無理?

 結局のところ、またもや作戦失敗。一時はスピンで落とされていったフネもプロパーで十分向けられそう。 なんとなく、シラ〜っとする。 風が落ち着いた時に(とは言ってもブイブイ吹いている)顔色をうかがいながら 「スピン揚げる?」 と何度となく聞いてみる。そしたら 「じゃ、揚げたいワケ?」 と逆襲される。ぐぅ。だから「揚げたい」ときっぱり言い返す。何となく中途半端なことをして、ベストを尽くさないで負けるのは嫌だ。とビール先生に文句をたれる。ビール先生もあれこれ言うが、いくらもっともらしいこと言っても、鼻毛を束で出しながらでは説得力はない。 しかもその中に 白い鼻毛 を発見してしまい、言いようのない脱力感に襲われ戦意喪失。わたしは後ろを向いてパンピングに勤しむことにする。(もちろん、一波一回です、念のため…汗)

 葉山まで10マイルを切った頃、やっとスピンのゴーサインが出る。揚げる気マンマンとか言っていながらも、いざ揚げるとなると結構ビビる。途中スピンがはらんで暴れて、危うく行ってまいそうになるけど、何とか無事にホイスト。途中で揚げるのって大変…!一度後ろに戻って、ガイを決めてスピンを安定させてから、また前へ行ってジブダウン。で、走って戻ってスピントリム。ぜぃぜぃぜぃ。キツー。

びびりながらだけど、 ドカーーーーーーンとカッ飛ぶ。 船を走らせてるんじゃなくて、船に走らされてる感じ。もっと早く揚げればよかったね、というのは風が後ろに回ったから言えることで、二人ともイケイケホイホイで即アップしていたら、きっとコケまくって今頃スピン破いていたかもしれない………。どこまでチャレンジするかという判断は、簡単なようで難しい。なんだかんだ言って、いつも冷めすぎ〜ってくらい冷静なこの鼻毛男様の判断は正しかったかも。アタシはどちらかというと、イケイケホイホイの口なので…。(反省)
まぁ、鼻毛の件は別として。

 フェロちゃんずっと前で見えなくなっちゃったけど、16:40無事フィニッシュ!昨年より2時間近くも早いフィニッシュ。そして今年はノートラブルで完走。ヤッター。ビールをプシュ〜!として、みんなの待つマリーナへ。

 色々考えた末とは言え、同型艇のフェロちゃんに随分と差をつけられてしまった。ほろ苦く悔しい気持と、すがすがしい達成感がごちゃまぜに入り混じって、マーブル模様になった気持でマリーナに着くと、クレーンのところでオーノさんとイトリンが迎えてくれた。先にフィニッシュしたみんなの顔も見えた。そしたら、さっきまでモンモンと考えていたフィニッシュの順番なんてもうどうでもよくなって、みんなと一緒にプチ冒険レースを走り終えた楽しい余韻だけが残っていた。

暫くして海援隊、クレルドリューン、TOMBOY、などが次々到着。みんな無事にいい笑顔で戻って来た。

 疲れた体で何とか片づけを終えてお風呂に入り、みんなと言い訳大会が始まる。真っ暗になって、おなかもペコペコだけど誰も帰ろうとしないのは、まだ1艇仲間が帰ってきていなかったから。そのうちレース本部から連絡があり、20:00前に無事フィニッシュし、今マリーナに向かっているとこのと。みんなでお助け小屋に走って行き、こっちに向かってくる航海灯を双眼鏡で確認。そのあと、大の大人が岸壁に折り重なるように隠れて到着を待つ。入港してきた瞬間にみんなでフォグフォーンを鳴らし、13時間かけて走りきったフータを大声援でお出迎え。これで全艇完走して無事フィニッシュ。ちょっとグッとくるシーン。で、まるで世界一周から帰ってきたみたいな騒ぎにレストランのお客まで立ち上がって見ている。

イエ〜ィ!フータ、世界一周おめでとう〜!!!

 翌日の表彰パーティーは快晴。入口に貼り出されたリザルトをチェックし、フェロちゃんの優勝を確認。おめでと〜!完敗だけど、いつも一緒に走ってるライバル艇の優勝はウレシイ限り。一つだけ誤算があるとしたら、フェロちゃんとホビーホークのワンツー独占かと思いきや、ななななななんと、またブライトンに食われてしまい、第3位。でも昨年はあとちょっとの差で届かなかった表彰台だから、それでもかなりうれしくて、レロレロになる。チビッコクラスとは言え、やっぱり表彰台はうれしいもの。


▲ Aクラス優勝 フェローズ

▲ Aクラス第2位 宿敵チビ船ブライトン


▲ Aクラス第3位 レロレロコンビ
(ちょっと笑いすぎ -_-;)

 このレースに出た人はみんなこの達成感を知ってるから、走り終えた後は本当に盛り上がる。パーティーもしかり。葉山のレースもメッチャ楽しいけど、逗子のレースもまた違った雰囲気で魅力的。ご近所のヨットクラブ同士だけど、それぞれに違った魅力があって、うま〜く個性を出しながら、それがみんなに支持されていると思いマス。逗子マリーナヨットクラブの皆さん、大変なレース運営どうもありがとうございました。

 来年?出るでしょー、ブライトンもこらしめないといけないし。

レースリザルトはこちら

本日のメンバー: 2人(←あたりまえだっちゅーの!)

隊長: ビール先生
小間使い: わたし

 

2005年!チビッコ対決(葉山ポイント8.0未満)
エントリー受付中!!

対 海援隊 3勝7敗
対 フェローズ 5勝5敗
対 KAIJIN 7勝3敗
ナポリ 8勝2敗
Brighten 1勝3敗
   

★ ピザーラカップのレポートはサボりましたけど成績はカウントしますた。
★ 七夕レガッタは順番がおかしくなるのでまだ入っていません。
★ ダブルハンドは同クラスだったフェロちゃんとブラライトンだけ計上。

 

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